キューバ旅行の準備

遅めの夏休みでキューバ旅行に行くことになりました。

ブログのテーマと全く異なりますが、キューバ入国の準備を休日シフトの振休を使って自分でやってみたのでここに書いてみます。

情報の少ないキューバ旅行準備のイロハですが、大使館やまとめサイトを見れば大体やることがわかるので、ここでは簡潔に書きます。(※情報は2017年10月13日時点のもの)

 

【事前準備】

キューバ大使館のサイトから、左側の「Forms>Visa Application Forms」を選択。

入力が可能なPDFがポップアップで出てくるので、事前に申請書へ入力します。

http://www.cubadiplomatica.cu/japon/EN/ConsularServices.aspx

※大使館の申請場所にも空白の同じ用紙があったので、印刷の環境が無ければ大使館で書くのもOKのようです。

 

あと、私はカナダ経由で行くのでeTA(ネットでの入国申請)をしました。

アメリカ、メキシコ経由の場合もそれぞれ手続きが必要なようですので、要チェック…。

 

【必要なもの】

・申請書

・パスポートのコピー(コピーを持っていかなければいけません)

キューバ行きのフライトのコピー

・宿泊施設の予約情報のコピー

全て紙で印刷して持っていくというところが要注意です!

 

【場所】

大江戸線の赤羽橋から徒歩1分くらい、南北線麻布十番駅から徒歩8分くらいの場所にあります。場所は…Googlemapで見てくださいw

f:id:espimas:20171013180028j:plain

 

こんな感じで雑居ビルの1階にありました。注意して歩かないと見落とします。

 

ちなみに、大使館の入り口にポスターの貼られている「エルネスト」を予習がてら先週の日曜日に見てきました。

感想は…オダギリジョースペイン語が上手いし、中南米の人に紛れても見劣りしないルックス!カッコいいです。

ストーリーは、ハッピーエンドではなく、時代の渦に巻き込まれていった日系医学留学生のお話。チェ・ゲバラが広島に来て平和記念公園に献花したことがあるというエピソードは初めて知りました。ゲバラが「過ちは繰り返しませんから」という墓標を見て、「これは誰が主語なんだ?」と案内人に質問するシーンは、なかなか考えらせられました…。

そして映画に出てくるキューバの原風景はたぶん今もそのままなので、楽しみになってきました。

 

そんなこんなで、事前準備は無事終了(多分)

出発は1週間後!楽しみです~~。

「医療の標準化」について

医療の質や医療安全を考える上で、重要な概念の一つとなるのが「業務の標準化」です。

「標準化」は、ある治療について、A部署・B部署・C部署のどこでやっても同じプロセス、同じ結果が出るように業務が設計されている、という考え方になります。機械産業では、部品を共通化することが「標準化」の方法の一つですが、病院の中では同じ手順・同じシステムで治療を進めることが「標準化」になります。

 

今の部署ではこのような仕事にもよくかかわるのですが、難しいなーと思うのが、特定の部署・部門が100点満点を取ろうとする姿勢を、必ずしも評価しずらい、ということにあります。(これは、事務の立場からの考えなのかもしれませんが…)

 

例えば、内視鏡の洗浄・感染管理の業務を例にとって考えてみます。

この領域は、消化器内視鏡以外にも様々な診療科で内視鏡が使用されていること(膀胱鏡、喉頭鏡、気管支鏡など…)、また内視鏡スコープは洗浄後に何度も再利用して使われ感染リスクが高い医療機器であることから、「標準化」の概念が非常に求められる分野です。

内視鏡の洗浄業務の詳細はここでは割愛しますが、「標準化」のベースラインを100点満点中の80点とすると、評価されるのは「全部署で80点の運用を確立すること」であり、「特定の部署で100点を出すこと」ではなくなるわけです。下記のように考えてみるとわかりやすいと思います。(合計点は同じですが、最高点と最低点に差があります)

 

【標準化されていない例】

A部署:100点

B部署:70点

C部署:70点

 

【標準化されている例】

A部署:80点

B部署:80点

C部署:80点

 

全部署で100点を目指そうとすると、業務や費用が非常に多くかかってしまうため、「まずは全部署で80点を取れるようにしましょう」と言わなければいけないません。しかし、専門的な知識を持った医療職の方は、自身の業務のレベルをより高い水準に持っていく努力をする(それ自体は素晴らしいことなのですが)あまり、他の分野がいつのまにか置いてけぼりになっている場面をよく見かけます。

 

このような場面に遭遇するときによく思うのが、「標準化はベースラインが低いところを基準に考えなくてはいけない」ということです。優等生を基準に考えるのではなく、(言い方は悪いですが)劣等生にいかに平均点を取ってもらうか、という観点から業務を設計することが必要です。

先程の内視鏡の洗浄・感染管理を例にとって考えてみると、「優等生」は専属の内視鏡技師を何人も抱え、1日に多くの内視鏡検査をこなし、ルーチン業務として洗浄業務を日々行っている内視鏡室になります。このような部署は、放っておいても業務がどんどん熟練していきます。

一方で「劣等生」はどこかというと、1週間のうちに5~6人程度しか内視鏡検査が行われず、洗浄業務も業務の合間に看護師・看護助手・事務が行っているような一般外来(婦人科、泌尿器科など)になります。

ですので、ここではあまり業務になれていない外来診療科でもできる業務手順をベースに、「標準化」を考えることが必要になってきます。

 

本当は、外来部門が内視鏡室側に教えを請いに、内視鏡室側は外来部門の総監督をするような関係性や体制を築ければよいのですが、うちの病院ではそれはまだ道半ば、といった感じです…。業務や費用を抑えつつ、そのような壁を取り払うためのコミュニケーションを促すことが、事務職の役割の一つなのかな~とも思っています。

病院において事務職に求められること

9月は仕事が忙しかったこともあり、記事を書くのをさぼっておりました。。

いったん落ち着いたので、またちょこちょこ再開しようと思います。

 

ニュース関連で、今回のテーマは「病院において事務職に求められること」です。

 

元記事はこちらです↓

www.cbnews.jp

 

久里浜医療センターの斎藤さんという、事務部事業班長の方へのインタビュー記事です。

ニュースの要約は今回は省略しまして、特に心に響いたなーと思うのが次の一文です。

 

「いい事務とは?」と、事務以外の一般職員に尋ねると、「頼んだら、すぐ対応してくれる」「聞いたら、すぐ答えてくれる」が多かったが、『困ったらすぐやってくれるという雑務的な要望に応えているに過ぎない』

一方、病院経営陣に尋ねると、「診療報酬や労務管理、啓江企画などの専門知識を有している」が多かった。

 

このことは、まさに本質をついているなーと思っていて、

医療者にとっての「いい事務職員」って、自身の業務には口出しせず、頼んだらデータ処理や庶務的業務をやってくれる人になりがちです。

ただ一方で経営陣側から見ると、「いい事務職」には、「収入や費用構造を正しく理解して、医療職と折衝できる」というスキルが求められます。

 

そして、この二つの「いい事務職員」像を一人の中に備えることが難しい、という課題を事務職の働き方は抱えています。

事務職は現場を知らなければいけないので、まず懐に入り込むという意味で、医療者のかばん持ち的な業務というか、うまく雑用を引き取りつつも相手に信頼をしてもらう、というプロセスが必要だと感じています。ただしどこかで線を引き、医療職の秘書役ではなく、病院を効率的・経済的に運営する事務職である、という立場をとって働くことも必要です。

 

「正しい立場から、正しい意見を医療職に言えるか」というのが、個人的には事務職に求められる一番のスキルだと思っています。

医療職とどのようにコミュニケーションを取りながら、信頼を得ながら、このような立場を築いていくべきか、私もまだまだ勉強中です。。

 

なんかまだ、頭の中の60%くらいしかまとめ切れていないようなモヤモヤ感がありますが、そんなことを考えつつ、仕事をしていこうと思います。

メディカルニュースまとめ:高齢者の多剤服用対策GL、検討開始へ 日刊薬業 2017年08月24日

本日はこちらのニュースです。

高齢者の多剤服用対策GL、検討開始へ 日刊薬業 2017年08月24日

 

【概要】

厚生労働省は、9月1日に「高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」の会合を開く。高齢者の薬物動態などを踏まえ、「やめどき」や「減らしどき」も検討する考え。

検討が必要な薬効群:傾向血糖降下剤、循環器用薬(高血圧の薬など)、認知症治療剤、睡眠導入剤抗不安薬等、抗菌剤

 

【コメント】

多剤服用対策は、薬剤師を中心としたチーム医療、地域医療のキーワードになっている取り組みです。

多剤併用により患者に有害事象が起きていることは「ポリファーマシー」と呼ばれており、それを改善することがこの取り組みの目的です。

診療報酬でもこの取り組みを活発化させたいらしく、2016年度の改定では「薬剤調整評価調整加算」という名前で、下記の要件を満たす多剤服用対策の取り組みを行った病院は、退院時に1回250点の算定が可能になりました。

○薬剤総合評価調整加算の要件

イ 入院前に6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていた患 者について、当該処方の内容を総合的に評価及び調整し、当該患者の退院時に処方 する内服薬が2種類以上減少した場合

ロ 精神病棟に入院中の患者であって、入院直前又は退院1年前のいずれか遅い時点 で抗精神病薬を4種類以上内服していたものについて、退院日までの間に、抗精神 病薬の種類数が2種類以上減少した場合その他これに準ずる場合

 

※外来でも「薬剤総合評価調整管理料」という名で同様の加算が算定可能のようです。

 

残薬、重複投与、不適切な長期投与などにメスを入れたい取り組みのようですが、言うは易く行うは難しで、現場レベルで対処する方法を見つけにくい取り組みの一つと感じています。

理由としては、下記のようなことがあるのかな~と思っています。

①行う業務負担に比べ、診療報酬が割に合わない

②薬を飲みたがる患者が多い

③急性期病院と地域のクリニックの連携を、患者の内服薬管理のレベルでとることが困難

 

①:薬剤師が入院患者の常用薬を把握し、患者の疾患を理解し、それに応じて2剤以上を医師と相談しながら減らす…という手間の作業の割に、患者1人あたり2500円しかもらえないというのはちょっとしょっぱすぎます。正しくやりたいのであれば、せめて倍の500点くらいに設定してもよいと思うのですが…。

②:患者側には、「薬を減らしたときに自分の体は大丈夫なの?」という心理が働くため、「薬を増やす」ことは受け入れられても、「減らす」ことはなかなか受け入れられないようです。医師としても、薬を増やすことよりも減らすことの方が頭を使うでしょうから、医療者・患者ともに減らす方向に気持ちが一致しません。

③:急性期病院に入院した時に頑張って内服薬を減らしても、地域のクリニックに戻った時に「あれ、○○さん今はこの薬飲んでないんですか?では元の薬も出しておきますね」と言われたら、せっかくの苦労が水の泡です。少しうがった見方をすれば、管理料の2500円は無駄な医療費にもなってしまいますね…。

 

私は外来レセプトに関わったことがないので分からないのですが、多剤服用対策の有効な方法の一つは、処方薬を審査機関でガンガン査定する(病院・薬局の持ち出しにする)ことなんじゃないかと思います。処方した薬のお金がもらえないのであれば、病院も薬を減らす方向に舵を切っていくでしょうし…。ただ、平和的でない解決策だとは思いますが。。

 

ポリファーマシーを理解するにあたっては、下記のリンクの記事を参照しました。

興味があれば合わせてお読みください。

yakuzaishiharowa.com

再製造SUDの制度化、普及の鍵は経営上のメリット 医療現場の期待感も(Medifax digest / 2017/8/21)

本日はこちらのニュースを取り上げてみます。

 

○再製造SUDの制度化、普及の鍵は経営上のメリット 医療現場の期待感も(Medifax digest / 2017/8/21)

 

○ニュースの概要

厚生労働省が、単回使用医療機器の再製造に関する制度通知を出したことに医療現場からの注目が集まっている。

期待できること:これまで単回使用だったものが複数回使用できることによる医療材料費の抑制

クリアすべきこと:再製造した単回使用医療機器の品質と安全性の確保

 

○コメント

ここでいう「単回使用医療機器」は、手術で使用するガイドワイヤーとかカテーテルのことを指していると思われます。これらは1本で数万円から、高いものだと何十万円もするのですが、耐久性や感染管理の面から滅菌洗浄が難しいとされていて、一度使用した後の再利用はせずにポイっと捨てています。

ちなみに「単回使用」の対義語は「複数回使用」で、例としては電気メスとか内視鏡が挙げられると思います。これらは病院内で洗浄・滅菌して繰り返し使われています。

「単回使用医療機器」は材料費が高く、実はカテーテル治療とかって利益率でみると割と低めだったりします。なので記事にも出ていたのですが、材料費を下げて利益を出すために、本来は単回利用の機器を病院内で滅菌して再利用していました、という事例もあるようです(恐ろしい…)

 

「カギは経営へのメリット」と記事にはあったのですが、一番のネックは医師や感染管理者が再製造した機器で治療をしてくれるか、ではないかと思っています。同じ成分が含まれているジェネリック薬品と異なり、医療機器は1回目よりも2回目の方が痛んでいるはずですので、そういった疑いのある機器の使用に医療者側からゴーサインが出るには、メーカー側が正しく使用できることを証明できる数値が必要になってきます。

あと、再製造する場所はどこになるのでしょう?「病院で再滅菌」は品質にばらつきが出るので、禁止したほうがよいのではと、個人的には思っていますが…。欧米の病院はこういった制度が整っているそうなのですが、どのような仕組みで再製造を行っているのか、気になります。

自分の立場で関われる問題を見極める

「君子危うきに近寄らず」ということわざがあります。

教養があり徳がある者は、自分の行動を慎むものだから、危険なところには近づかないということ。(故事ことわざ辞典より)

いま働いている中で、このことわざを心掛けとして持っておくことは非常に役に立っています(いきなりの消極的な意見ですが。。) 

 

病院では、資格職のスタッフがメインで働いており、「自分の専門領域」を尊重しあいながら仕事をしています。例えば、医師が診断をつけて薬を選択し、薬剤師がそれを監査・調剤し、看護師が患者の介助にあたりながらその薬を飲ませる、といった具合です。

ところが一方で、「この仕事は誰がやればよいのか?」「この仕事のルールは誰が決めればいいのか?」というところが不明確になる場面が多々あります。例えば、入院した患者の持ってきた薬を誰が預かり、誰が記録に残すか、という話は医師、看護師、薬剤師、事務の誰でもできる仕事です。

この所在不明瞭な仕事に筋道をつけるのが、医療の現場から第三者的な立場にある事務の役割かと思っているのですが、タイトルにもある通り自分の立場で関われる問題とは何か?を見極める」を常に頭に入れておく必要があると思っています。これをしないと、色々なややこしいことに巻き込まれて自分の仕事が回らなくなったり、不要に信頼を下げることにもなってしまいます。

 

ルールが決まらない・いつまで経っても改善しない問題には、それに関わっている当事者の認識にいくつかのパターンがあるように感じます。

①誰に相談すればいいのか分からない(もしくは相手は分かっていても相談しにくい)

②複数部署にまたがる問題なので、解決に向けた音頭取りをしにくい

③自部署の仕事として受け入れたくない分野なので黙っている

 

個人的に思うのは、①と②は事務職が多いに関わり、医療者をサポートしてあげるべきところなのですが、③に関してはうまく間を取り持たないと地雷を踏んでしまう、ということです。

①と②のパターンは重なるところも多いのですが、例えば現場のスタッフは、意外と自分の業務の前後でどのような人たちが関わっているか、ということを知らないことも多いです。それ以外にも、他職種の専門領域に口出しをしづらい、という遠慮もあるようです。こういう時には事務が間に入り、業務の全体像を整理し具体的な数値や仕組みを可視化して資料として提供することで、関わる職種で顔を合わせれば解決の方向に向かっていくことも多いです。

一方で要注意なのは③です。前で例として挙げた「誰が患者の薬を管理するか問題」などは、病院によってのルールを作れば済む話なのですが、ルールを作ると業務を誰が引き受けるか、ということが明確になってしまいます。否定的な見方をすると、「ルール作り=仕事の押し付け合い」になります。

こういった思惑が当事者にあると、事務が間に入って話を整理しても、お互いの現場論・感情論に流れていってしまうことも多く、妥当な結論に行かないこともあります。

 

個人的には、現場論・感情論を擁護するつもりもないのですが、ただ「当事者が殴り合って話を決める」ということも、一つの問題解決手法である、ということは認識しておく必要があると思っています。

結局、「仲裁役」というのはその仕事に関わらない第三者的立場であり、仲裁役が話し合いの場で「あるべき論」を安易に振りかざすことは時に無用な批判も食らいますし、信頼を下げることにもなってしまいます。タイトル・テーマに戻りますが、「自分の立場で関われる問題を見極める」こと、そして殴り合いで決めるしかない場合には「君子危うきに近寄らず」の姿勢を持っておくことも、大事な人間関係のスキルだと感じています。

 

先輩が薦めてくれた本に「イシューから始めよ」という問題解決に関する本があるのですが、その中にノーベル賞を受賞した利根川進さんの研究テーマを見つける話が引用されています。

利根川さんは、「利用可能なテクノロジーのぎりぎり最先端のところで生物学的に残っている重要問題のうち、何が解けそうかを見つけ出すのがうまかった」そうです。すなわち、「最もインパクトのある答えを出せるテーマは何か?」を探す力に長けていた、ということです。

今回私が書いたことはテクノロジーではなく人間関係の話でしたが、こういったことも頭に入れて仕事に臨む必要があるな、と感じる今日この頃です。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

 

メディカルニュースまとめ:副作用漏れなく報告を 厚労省、医療機関向け手引(日本経済新聞 2017/8/11)

会社のお昼休みに、医療系のニュースまとめを社内メールで事務で興味のある職員に転送するというボランティア?業務をしているのですが、それを見た先輩から、「週に3本くらい、気になったニュースをまとめてブログに書いてみたらいいんじゃない?」とアドバイスをもらいました。

週に3本は面倒くさくてなりそうなので、時間のある時の1日1本を目標にやってみようと思い、本日はその第1回です。

取り上げるニュースがこちら↓

 

副作用漏れなく報告を 厚労省医療機関向け手引
日本経済新聞 電子版 2017/8/11
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09H53_R10C17A8CR8000/

 

○ニュースの概要

 薬の副作用の報告は医薬品医療機器法に基づき、下記の2つのルートで報告する必要がある。

(1)製薬会社など企業が医療機関などから情報収集し医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告する

(2)医師など医療関係者がPMDAに直接報告する

副作用の報告数を増やし、医薬品の適正使用のための対策の検討に役立てられているが、この報告のうち、厚生労働省医療機関からの薬の副作用報告が実際よりも少ないとみて、報告を促す手引を作成した。手引きでは、副作用が疑われる事例を漏れなく一元的に管理する部署や責任者の配置を求め、医療安全管理室や薬剤部などがその役目を担うのが望ましいとしている。

 

○コメント

実は、「薬の副作用報告の適正化」は最近関わっている仕事と重なる部分があり、日経新聞を読んでいてこの記事を見つけた時、ああ自分の仕事も少しは社会の役に立っているんだなーと嬉しくなり、この記事を選びました笑

今関わっている仕事は、院外への薬の副作用報告ではなく、院内でどのように薬の副作用を収集し、カルテに正確な記載として残すか、という内容です。

外部機関への情報提供ももちろん大切なのですが、今日報告した薬が明日から改善されるわけではないので、院内的に「○○さんは××の薬で副作用がある」という情報を残すことはとっても大切です。重篤な副作用が同じ病院で繰り返された場合は、病院の責任が問われる可能性もあります。

 

ただし、適切な報告の収集に向け、色々とクリアすべき障壁があります。

①そもそも「副作用」の定義が曖昧なこと

②副作用報告を院内で収集する仕組みが知られていないこと

③副作用報告を医師にあげてもらうのが難しいこと

④副作用をレビューして原因を特定する体制がないこと

 

①は、「アレルギーと副作用の違いって何なの?」というところから、医師・看護師・薬剤師と話し合い、一般人でも見分けられる分かりやすい定義を院内的に決める必要があります。

②は周知の問題ですが、日常的に使わないツールというのは驚くほど知られることが難しく、社内メールや会議でのアナウンスを続けるしかなさそうです。

③が一番の課題で、「医師に適切な報告をさせること」はどの病院でも難しいのではないかと思います。しかし副作用を一番近くで見届けているのは注射・処方をオーダーする医師であり、ここに介入しないと正しいデータはいつまでたっても上がってきません。厚労省が本気でデータを集めたいのであれば、病院が報告を出すインセンティブの働く仕組みを設けてほしいところです。

④は、記事の中にもありましたが副作用が疑われる情報を一元管理する部署を決めることが必要になります。「医療安全管理室や薬剤部などがその役目を担うのが望ましい」とありましたが、忙しい病院で新しく副作用報告のレビューを手を挙げて受け持ってくれる部署などなかなかなく、交渉が大変です。

 

…とまあ、厚労省が手引きなんか作っても、それを受け止める現場の病院は大変なんだぞ!っていう愚痴みたいになってしまいました。

ただ日本の医療を考える上で非常に重要な課題なので、まずはうちの病院がよい仕組みを構築していかなければ!、と強く思わされたニュースでした。